障がい者雇用での採用の流れと、選考時の注意点について | ESJコンサルティング

障がい者雇用での採用の流れと、選考時の注意点について

  1. 目次
  2. 障がい者雇用とは
  3. 障がい者雇用市況について
  4.  障がい者雇用3つの手順
  5. 採用計画の策定
  6. 採用活動の実行
  7. 受入体制の整備
  8. まとめ

企業が障がい者雇用を進めるにあたって、「新たに障がい者雇用担当者に任命されたものの、何から始めればいいのか分からない」という

ご担当者様向けに、採用準備から人材募集、選考活動や採用までのポイントをまとめています。

まずは障がい者雇用全体の流れをつかみ、自社の障がい者雇用の取り組みに活かしていきましょう。

障がい者雇用とは

そもそも、障がい者雇用とは何でしょうか。

一般的に、ただ障がいを持った方を雇用することを障がい者雇用と呼んでいるわけではなく、障害者雇用促進法により定められた制度に沿った雇用が「障がい者雇用」と呼ばれます。

障がい者雇用義務の対象企業や、対象となる障がい種別等、明確に定められておりますので、内容を正しく理解するようにしましょう。

詳しくは、以下の記事をご参考ください。

障がい者雇用とは?障がい者雇用に関わるメリット・デメリットについて解説します。

障がい者雇用の対象となる障がい種別や特性について

 

障がい者雇用市況について

障がい者雇用に関わる法定雇用率は、2026年度に2.7%へ引き上げが決定しており、2024年度から段階的に引き上げが行われます。

そして、この雇用率引き上げについては今後も継続されることが想定されています。

併せて企業の障がい者雇用も拡大しており、令和4年時点の雇用障がい者数は61万3,958人で、前年から1万6,172人増えて、全体で2.7%上昇しています。

雇用率の上昇に合わせて雇用数も増加していることを踏まえると、今後企業は人材確保のためにしっかりと戦略を持ち、障がい者雇用に取り組むことが必要となってきます。

出展:厚生労働省‐令和4年 障害者雇用状況の集計結果

 

 障がい者雇用3つの手順

企業の障がい者雇用を進めるに当たっては、①「採用計画の策定」②「採用活動の実行」③「受入体制の整備」の3つの手順に沿って進めることが好ましいでしょう。

それぞれについて、解説します。

採用計画の策定

まずは、採用計画を定める必要があります。

自社の雇用状況を把握し、何名の障がい者を採用するのか、配属部署はどこで、どのような業務を任せるのかを決定します。

その際、多くの企業では業務切り出しが求められることがあります。

この業務切り出しを丁寧に行うかどうかが、障がい者雇用の成功に大きく関係します。

業務切り出しについて、詳しくは以下の記事をご参考ください。

障がい者雇用での業務切り出しの方法

弊社では業務切り出し支援も行っております。お気軽にお問い合わせください。

採用活動の実行

採用計画の策定ができたならば、実際に採用活動に移っていきます。

ここでは、障がい者雇用支援サービスの利用を行わずに、自社で採用活動を行う際の一般的な流れについて説明します。

大きな流れとしては、母集団形成→書類選考→面接という流れになります。

母集団形成

前ステップの採用計画の策定により、採用人数やターゲットが絞れているかと思います。

その計画に沿って、最も適した募集方法を決めます。

障がい者の募集方法としては主に以下のようなものがあります。

・ハローワークを利用

・民間職業紹介業者を利用

・合同説明会への参加

・就労移行支援所や教育機関との連携

それぞれの募集方法の特徴については、以下記事をご確認ください。

母集団形成の重要性について、障がい者雇用で注意するポイントとは

これらの方法を活用することで、求人に対しての十分な母集団形成を行いましょう。

採用ターゲットによって適切な募集方法を選択することが、障がい者雇用成功への第一歩です。

 

書類選考

母集団形成ができた後は、書類選考を進めていきましょう。

書類選考に当たっては、一般社員の選考と同じように対応をして問題ありません。

経歴やスキル等、自社の選考基準に沿っているかを確認していきましょう。

ただし、「精神障がいの場合は採用は見送る」等、精神障がいを理由による基準を設けることはお勧めしません。

これは、採用計画を立てるにあたってお調べの方はご存じかもしれませんが、精神障がい者の方の定着率の低さ等を理由に、実際に精神障害を避ける企業が存在します。

しかし、障がいの程度については障がい者手帳で確認をすることができますが、症状については一人一人で変わります。

「この障がいを持った人はこうだから、この業務はできない。」といった決めつけを行うことは、いい人材を採りこぼすことにもつながります。

また、障がい者雇用枠における精神障害者の求職者数は、法定雇用率算定対象に精神障がい者が加えられたこともあり増加しています。

その他採用基準を満たしているのであれば、面接で本人の症状等を実際にご自身の目で確認し、コミュニケーションを通して採用判断をすることをお勧めします。

精神障がい者の採用については、併せて以下記事もご参考ください。

精神障がい者を採用するにあたって、重要なポイントについて解説します。

面接

面接についても、一般社員の面接と大きく変わることはありません。

経歴やスキル、コミュニケーションについて確認を進めていきます。

ただし、先にも触れたように、障がいの程度については障がい者手帳で確認をすることができますが、症状については一人一人で変わります。

 障がいに対して先入観を持つことなく、個々人の特性や症状を丁寧にヒアリングするように心がけましょう。

そして、求人業務に対してしっかりとマッチングしているか確認をすることで、採用から安定した職場定着につながります。

 

受入体制の整備

無事に採用することができたのならば、入社受け入れに向けて環境の整備を行いましょう。

職場のバリアフリー化が必要であれば、計画的に対応を進めることや、業務マニュアルの整備を行います。

併せて、他の一般社員への障がい者雇用の理解促進を進めることで、皆が働きやすい環境を整えることができます。

決して障がい者を優遇するということではなく、互いが尊重しあえる職場を作れるように意識しましょう。

まとめ

本記事では、企業が障がい者雇用に取り組むにあたっての一連の流れについて解説しました。

正しく障がい者雇用制度を理解することや、適切な採用計画の策定を行い採用活動、受け入れを行うことが、障がい者雇用を成功させるためには不可欠です。

各ステップで丁寧に対応を行うことで、障がい者雇用の成功につながります。

また、雇用後の職場定着に関しては、以下の記事をご参考ください。

障害者雇用における離職率と、職場定着率向上のポイントとは?

また、弊社ESJコンサルティングでは企業の障がい者雇用に関わる全般サポートを行っております。

弊社サービスについても、是非一度お問い合わせください。