障害者雇用に関する助成金制度について仕組みや企業側・求職者側のメリットをご紹介 | ESJコンサルティング

障害者雇用に関する助成金制度について仕組みや企業側・求職者側のメリットをご紹介

  1. 目次
  2. 1.障害者雇用に関する助成金制度とは
  3. 2.受給の要件
  4. 3.障害者雇用それ自体に対する助成金
  5. ①障害者雇用納付金制度
  6. ②トライアル雇用助成金
  7. ③特定求職者雇用開発助成金
  8. ④キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)
  9. 4.障害者のための施設設置等に関する助成金
  10. ①障害者作業施設設置等助成金・障害者福祉施設設置等助成金
  11. ②重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金
  12. 5.障害者のサポートに対する助成金
  13. ①障害者介助等助成金
  14. ②職場適応援助者助成金
  15. ③重度障害者等通勤対策助成金
  16. 6.障害者の職業訓練等に対する助成金
  17. 障害者職場実習支援事業
  18. 7.注意すべき・意識すべきポイント
  19. ①助成金の申請等については、事前に確認を
  20. ②障害者の労働時間や障害に応じて、実雇用率が異なる
  21. ③障害者の立場になって考える
  22. 8.まとめ

障害者雇用促進法によって、企業や事業主には障害者雇用における一定の法定雇用率が義務付けられており、障害を抱える方々の雇用創出や社会進出が進められています。

企業や事業主は障害者の方々を受け入れるため、制度や設備、職業訓練等、事前準備が必要な要素は様々あり、その分予算もかかり、負担が大きくなってしまいます。

これからの課題を解決するために、障害者雇用に関して利用できる助成金が、様々用意されています。

本記事では、企業や事業主が受けられる、障害者雇用に関する助成金の概要や種類などを解説していきます。

 

1.障害者雇用に関する助成金制度とは

障害者雇用に関する助成金制度は、国が障害者雇用を促進するにあたり、企業や事業主が積極的に障害者雇用に取り組めるよう、一時的経済負担を軽減するために整備された助成金制度です。

障害者雇用を進めるには、職場環境だけでなく、設備や人材育成、障害特性に合わせたサポート等、整備すべきことは様々です。

2.受給の要件

助成金の種類は様々ありますが、厚生労働省は障害者雇用に関する助成金に共通する要件については下記の3点を提示しています。

①雇用保険適用事業所であること

②支給のための審査に協力すること

③申請期間内に申請すること

至極当然の内容ですが、この点が担保されていないと、障害雇用に取り組むことは難しいと思われます。

ここからは障害者雇用に関する助成金を、助成対象ごとで区分けし、解説していきます。

3.障害者雇用それ自体に対する助成金

①障害者雇用納付金制度

障害雇用の法定雇用率を達成している企業や事業主を対象に、支払われる助成金(正式には調整金・報償金)です。

常時雇用労働者100人超の企業で、法定雇用率を達成した場合、障害者1人あたり月額27,000円の調整金が支給されます。

また、常時雇用労働者100人以下の中小企業で、一定数以上の障害者雇用をしている場合、一定数を超えた障害者1人あたり月額21,000万円が報奨金として支給されます。

②トライアル雇用助成金

トライアル雇用は、障害者の雇用機会増加や安定就労を目的に、障害者を3か月~半年の期間試行雇用する制度で、これを実施する企業や事業主に対して助成されるもので、「障害者トライアルコース」と「障害者短時間トライアルコース」の2コースが用意されています。

※一定期間内に「会社都合の退職者」がいる等、貴社の状況によっては申請不可能な場合もございます。

(1)障害者トライアルコース

ハローワークや人材紹介会社の紹介によって、トライアル雇用を行う障害者の一週間の所定労働時間が、正規雇用の従業員と同程度の30時間以上で、一定期間雇用することにより受給することができます。

対象者が精神障害者の場合、月額最大80,000円を3か月間、その後の3ヶ月間は月額最大40,000円の助成金が支給されます。(合計で最長6か月)

それ以外の障害者の場合は、月額最大40,000円が3ヶ月間支給されます。(最長で3か月)

そして、以下AとBどちらにも該当する障害者が対象です。

A:継続雇用を希望していて、障害者トライアル雇用も希望している人

B:障害者雇用促進法に規定する障害者のうち、次のア~エのいずれかに該当する人

ア 紹介日において就労の経験のない職業に就くことを希望する人

イ 紹介日前2年以内に、離職が2回以上または転職が2回以上ある人

ウ 紹介日前において離職している期間が6か月を超えている人

エ 重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者

(2)障害者短時間トライアルコース

ハローワークや人材紹介会社の紹介によって、トライアル雇用を行う障害者の一週間の所定労働時間を、初めは週10時間以上20時間未満から開始し、最終的には週20時間以上の勤務に引き上げることを目標に、一定期間雇用することにより受給することができます。

対象者1人につき月額最大40,000円を最長で12ヶ月間支給されます。

そして、対象となる障害者は、継続雇用を希望し、障害者短時間トライアル雇用も希望している精神障害者または発達障害者になります。

③特定求職者雇用開発助成金

特定の条件を満たした求職者を新規雇用した際に支給される助成金で、3コースが用意されています。

また②トライアル雇用期間終了後も継続雇用する場合、③特定求職者雇用開発助成金の受給が可能です。

併用利用の場合は、それぞれ申請をする必要がありますので、注意してください。

(1)特定就職困難者コース

就職困難者を、ハローワーク等を通じて雇用する企業や事業主に対して支払われる助成金です。

雇用保険一般被保険者として雇い入れ、対象者の年齢が65歳以上に達するまで継続雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であることが確実と認められることが要件となっています。

助成金額は以下の通り分類されます。

【中小企業】

・重度障害者等を除く身体・知的障害者の場合、年額120万円を2年間

・重度の身体・知的障害者、45歳以上の身体・知的障害者及び精神障害者の場合。年額240万円を3年間

・短時間労働者の場合は障害の区別はなく、年額80万円を2年間

【中小企業以外の事業主】

・重度障害者等を除く身体・知的障害者の場合、年額50万円を1年間

・重度の身体・知的障害者、45歳以上の身体・知的障害者及び精神障害者の場合。年額100万円を1年6か月間

・短時間労働者の場合は障害の区別はなく、年額30万円を1年間

(2)発達障害・難治性疾患患者雇用開発コース

ハローワーク等を通じて発達障害者又は難治性疾患患者を、継続雇用する企業や事業主に対して支払われる助成金です。

(1)と同様に、雇用保険一般被保険者として雇い入れ、対象者の年齢が65歳以上に達するまで継続雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上であることが確実と認められることが要件となっています。

(1)と異なる点として、企業や事業主には、雇用した障害者に対する配慮事項を報告する義務が課され、更に雇用から約半年後にハローワーク職員による職場訪問を受けることになります。

助成金額は以下の通り分類されます。

【中小企業】

・短時間労働者の場合、1人あたり年額80万円を2年間

・それ以外の労働者の場合、1人あたり年額120万円を2年間 

【中小企業以外の事業主】

・短時間労働者の場合、1人あたり年額30万円を1年間

・それ以外の労働者の場合、1人あたり年額50万円を1年間 

(3)障害者初回雇用コース

これまで障害者雇用をしておらず、障害者雇用義務制度の対象となる労働者数が43.5~300人の中小企業が、初めて障害者雇用した際に利用できる助成金です。

助成金額は120万円です。

一人目の障害者を雇用した日の翌日から起算し、3か月後の日までの期間に、雇用した障害者数が障害者雇用促進法の定める障害者の法定雇用率を達成することが要件となります。

④キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)

障害のある有期雇用労働者を正規雇用労働者等に転換した企業や事業主に対して支払われる助成金です。

以下の4点が要件となっています。

・有期雇用労働者等のキャリアアップ担当者を置く企業や事業主であること

・対象者のキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格認定を受けた企業や事業主であること

・対象者に対する労働条件、勤務状況、賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる企業や事業主であること

・キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ企業や事業主であること

4.障害者のための施設設置等に関する助成金

①障害者作業施設設置等助成金・障害者福祉施設設置等助成金

障害者を雇用するにあたり、障害特性による就労上の課題を克服・軽減するための施設整備や、作業施設・福祉施設の設置を行う企業や事業主に対して支給されます。

この内、障害者作業施設設置等助成金には、工事・購入等による設置・整備に対する「第1種作業施設設置等助成金」と、賃借による設置に対する「第2種作業施設設置等助成金」の2種類があります。

対象となる障害者は、雇用されてから6か月以内で、身体・知的・精神いずれも対象となり、在宅勤務の場合でも問題ありません。

助成金額は、作業施設等の設置・整備に要する対象部分の費用の2/3で、福祉施設の場合は1/3となります。

②重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金

重度障害者を継続的かつ多数雇用している企業や事業主が、対象となる障害者のために事業施設の設置・整備を行う際に支払われる助成金です。

ただし、本助成金の支給額は実施する対策によって変わるためご注意ください。

5.障害者のサポートに対する助成金

①障害者介助等助成金

障害者雇用において障害者の職場定着を図るため、必要な介助者や職場支援員等を配置・委嘱したり、中途障害等による休職者の職場復帰に必要な措置を講じた企業や事業主に対して支給される助成金で、3種類あります。

(1)職場介助者の配置・委嘱助成金

対象障害者は、以下のいずれかに当てはまり、助成金の受給申請を行う企業や事業主から雇用または継続雇用される従業員でなければなりません。

・2級以上の視覚障害者

・「2級以上の両上肢機能障害」と「2級以上の両下肢機能障害」の両方を持つ障害者

・「3級以上の乳幼児期以前の非進行性の脳病変による上肢機能障害」と「3級以上の乳幼児期以前の非進行性の脳病変による移動機能障害」の両方を持つ障害者

助成金額は配置・委嘱にかかった費用の3/4で、上限額が配置の場合月額15万円、委嘱の場合は1回あたり1万円と定められています。

また、配置・委嘱する職場介助者や職場支援員にも障害に応じて、以下の通り対応できる業務の内容が異なります。

【重度視覚障害者の介助】

・支給対象の従業員の都度の判断・指示に沿った事務処理に必要な文書の朗読・録音テープ作成

・支給対象の従業員の都度の判断・指示に沿った文書作成と補助業務

・支給対象の従業員が業務上の外出をする際の付き添い

・上記3つの解除業務に付随する業務

【重度四肢機能障害者の介助】

・支給対象の従業員の都度の判断・指示に沿った文書作成と補助業務

・支給対象の従業員の都度の判断・指示に沿った機械操作・PC入力・補助業務

・支給対象の従業員が業務上の外出をする際の付き添い

・上記3つの解除業務に付随する業務

(2)職場介助者の配置・委嘱の継続措置に係る助成金

介助者や職場支援員の配置・委嘱を継続実施した企業や事業主が利用可能な助成金です。ただ、支給対象期間の10年間経過後も継続して介助者や職場支援員の配置・委嘱を行う必要があります。

対象障害者は、以下のいずれかに当てはまり、助成金の受給申請を行う企業や事業主から雇用または継続雇用される従業員でなければなりません。

・2級以上の視覚障害者

・「2級以上の両上肢機能障害」と「2級以上の両下肢機能障害」の両方を持つ障害者

・「3級以上の乳幼児期以前の非進行性の脳病変による上肢機能障害」と「3級以上の乳幼児期以前の非進行性の脳病変による移動機能障害」の両方を持つ障害者

助成金額は配置・委嘱にかかった費用の2/3で、上限額が配置の場合月額13万円、委嘱の場合は1回あたり9,000円と定められています。

また、配置・委嘱する職場介助者や職場支援員にも障害に応じて、以下の通り対応できる業務の内容が異なります。

【重度視覚障害者の介助】

・支給対象の従業員の都度の判断・指示に沿った事務処理に必要な文書の朗読・録音テープ作成

・支給対象の従業員の都度の判断・指示に沿った文書作成と補助業務

・支給対象の従業員が業務上の外出をする際の付き添い

・上記3つの解除業務に付随する業務

【重度四肢機能障害者の介助】

・支給対象の従業員の都度の判断・指示に沿った文書作成と補助業務

・支給対象の従業員の都度の判断・指示に沿った機械操作・PC入力・補助業務

・支給対象の従業員が業務上の外出をする際の付き添い

・上記3つの解除業務に付随する業務

(3)手話通訳担当者の委嘱助成金

手話通訳担当者の委嘱を実施した事業主が利用可能な助成金です。

対象障害者は、2級または3級の聴覚障害者で、助成金の受給申請を行う企業や事業主から雇用または継続雇用される従業員でなければなりません。

そして担当者にも要件があり、以下の業務の内、いずれかを行えることが必要です。

・支給対象の従業員が業務上で必要な手話通訳業務

・支給対象の従業員の能力向上を目的とした研修等に必要な手話通訳業務

・支給対象の従業員が所属している事業所で働く他の従業員に対し行う手話研修業務

助成金額は配置・委嘱にかかった費用の3/4で、上限額が1回あたり6,000円と定められています。

②職場適応援助者助成金

職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援を実施した企業や事業主が利用可能な助成金です。

この助成金には「訪問型」と「企業在籍型」と2種類があります。

(1)訪問型職場適応援助者助成金

雇用している障害者に対して、訪問型の職場適応援助者による支援を提供する企業や事業主に対する助成金です。

対象となる障害者は、身体・知的・精神・発達障害、難病、高次脳機能障害を抱える人で、地域障害者職業センターが作成する職業リハビリテーション計画にて、訪問型職場適応援助者による支援が必要と認められる人になります。

対象となる支援は、地域障害者職業センターが作成または承認する支援計画で必要と認められた訪問型職場適応援助者による支援のうち、以下の8種類になります。

・支援計画書の策定

・支援総合記録票の策定

・支援対象労働者に対する支援

・支援対象事業主に対する支援

・家族に対する支援

・精神障害者の状況確認

・地域センターが開催するケース会議への出席

・その他必要と認める支援

助成金額は以下の通り算出された助成金は、最長1年8ヶ月(対象障害者が精神障害者の場合、最長2年8ヶ月)受け取ることができます。

助成金額の算出方法:以下①と②の合計

①支援計画に基づく支援実施日数に、日額単価をかけた額

・1日の支援時間(移動時間を含む)の合計が4時間以上の日で16,000円

(対象障害者が精神障害者の場合は3時間以上の日で16,000円)

・1日の支援時間(移動時間を含む)の合計が4時間未満の日で8,000円

(対象障害者が精神障害者の場合は3時間以上の日で8,000円)

②訪問型職場適応援助者養成研修に関する受講料を事業主がすべて負担し、かつ、養成研修の終了後6か月以内に、初めての支援を実施した場合、その受講料の1/2の額

(2)企業在籍型職場適応援助者助成金

雇用している障害者に対して、企業在籍型の職場適応援助者による支援を提供する企業や事業主に対する助成金です。

対象となる障害者は、身体・知的・精神・発達障害、難病、高次脳機能障害を抱える人で、地域障害者職業センターが作成する職業リハビリテーション計画にて、訪問型職場適応援助者による支援が必要と認められる人になります。

対象となる支援は、地域障害者職業センターが作成または承認する支援計画で必要と認められた企業在籍型職場適応援助者による支援のうち、以下の4種類になります。

・支援対象障害者と家族に対する支援

・事業所内の職場適応体制の確立に向けた調整

・関係機関との調整

・その他(地域障害者職業センターが必要と認めて支援計画に含めた支援)

助成金額は以下の通り算出された助成金は、一人の企業在籍型職場適応援助者において、雇用保険適用事業所ごと1回限り、対象障害者1人に対する職場適応援助者1回につき、最長6か月受け取ることができます。

助成金額の算出方法:以下①と②の合計

①対象障害者1人あたりの月額に、支援計画に基づく支援実施月数を掛けた額

②企業在籍型職場適応援助者養成研修に関する受講料を事業主がすべて負担し、かつ、養成研修の修了後6か月以内に、初めての支援を実施した場合に、その受講料の1/2の額

③重度障害者等通勤対策助成金

重度障害者の通勤において、企業や事業主がその通勤を容易にするために実施する対策に対し支給される助成金です。

助成内容として、次の8種類があります。

・重度障害者等要住宅の賃借助成金

・駐車場の賃借助成金

・指導員の配置助成金

・通勤用自動車の購入助成金

・住宅手当の支払助成金

・通勤用バスの購入助成金

・通勤援助者の委嘱助成金

・通勤用バス運転従事者の委嘱助成金

6.障害者の職業訓練等に対する助成金

障害者職場実習支援事業

障害者を雇用したことのない企業や事業主が、ハローワーク等と連携して職場実習を実施した際に支給されるものです。

支給額は、実習対象者1人あたり日額5,000円×実習日数、実習指導員日当も、1日あたり指導時間4時間以上で16,000円、4時間以下で8,000円となります。

7.注意すべき・意識すべきポイント

障害者雇用に関する助成金は様々ありますが、共通して注意すべきこと、意識すべきことが3点あります。

①助成金の申請等については、事前に確認を

今回紹介した助成金は全て同じ窓口で申請できるものではなく、助成金の種類によって、申請書類や方法は異なります。

事前に厚生労働省のホームページ等で必要書類等を確認の上、申請をお願いいたします。

『障害者を雇用したことのない』等の条件が課せられている場合も多いため、想定していた助成を受けられない場合があるためです。

もし対象となるか分からない場合には、問い合わせると詳しく案内をしてもらえますので、必ずご確認ください。

②障害者の労働時間や障害に応じて、実雇用率が異なる

障害者の法定雇用率は、単純に全社員の内、障害者が何人いるかで実雇用率を算出するのではありません。

障害者雇用促進法では、障害者の労働時間や抱える障害の種類等によって、算出基準が異なります。

まず原則として、一般就労者も障害者雇用も含めた全体の労働者数は、所定労働時間が週30時間以上の常時雇用労働者1人はそのまま「1人」として算定しますが、所定労働時間が週20時間以上30時間未満の労働者の場合、短時間労働者1人あたり「0.5人」として算定されます。

そして、障害を抱える方の内、重度身体障害者と知的障害者はその数を「2倍」にして実雇用率を算定します。

また、精神障害者の内、新規雇用日から3年以内、手帳取得から3年以内、令和5年度中に雇用され手帳を取得した方は、短時間労働のみ「2倍」にします。

 例. 常時雇用の重度身体障害者が1人いれば「2人」、3人いれば「6人」

   短時間労働の知的障害者が1人いれば「1人」、3人いれば「3人」

   短時間労働の精神障害者で2年前に雇用された方が1人いれば「1人」、3人いれば「3人」

③障害者の立場になって考える

障害者を雇用する企業や事業主は、障害者の立場になって必要なことを考えることが必要です。

障害者雇用促進法では、法定雇用率以外にも、「差別禁止」「合理的配慮」も義務付けられました。

現在の職場環境で障害者は問題なく働けるだろうか、通勤方法やルートは心配ないかといった障害者自身に関わることだけではなく、一緒に働く職員との関わり方、差別やいじめは起きていないか等にも注意することが求められています。

障害者雇用を促進していくために何が必要なのかを障害者の立場になって考え、必要な支援を助成金の活用によって、進めていけることもあります。

8.まとめ

ここまで障害者雇用に関する助成金を様々解説してきました。

障害者雇用の促進は今後も取り組んでいく必要があり、その必要性は高くなっていきます。

そのため企業や事業主の予算に対する負担感もそれに伴い大きくなりますが、そのために助成金が用意されています。

助成金を上手く活用することで、障害者雇用を進められるだけではなく、現在雇用している障害者の方々への支援にもなります。

障害者への配慮は、障害者の安定就労をもたらし、企業全体の生産性向上にもつながるため、積極的に活用し、障害者雇用拡大を目指していきましょう。