従業員が新たに障害手帳を取得した際の、企業側の対応について | ESJコンサルティング

従業員が新たに障害手帳を取得した際の、企業側の対応について

  1. 目次
  2. 法定雇用率へのカウント対象者
  3. 社員が障害手帳を取得した際に、企業がとるべき対応とは
  4. 合理的配慮における注意点
  5.  合理的配慮の対応について
  6. まとめ

企業には、法定雇用率に応じた障害者を雇用することが法律によって義務付けられています。

この雇用率は障害者を新たに採用する場合だけでなく、すでに働いている従業員が新たに障害手帳の交付を受けた場合にもカウントされるケースがあります。

この記事では、従業員が障害手帳を取得した場合に、企業がとるべき対応について解説します。

法定雇用率へのカウント対象者

まず、ご存じの方も多いかとは思いますが、法定雇用率のカウント対象について確認をしましょう。

障害者雇用促進法における障害者雇用の義務の対象は、2018年の改正で精神障害者が追加となり、現在3種類あります。

・身体障害者の「身体障害者手帳」

・知的障害者の「療育手帳」

・精神障害者は「精神障害者福祉健康手帳」

これらの手帳を持っている人が障がい者雇用の対象者であり、法定雇用率へのカウント対象者です。

社員が障害手帳を取得した際に、企業がとるべき対応とは

貴社の従業員が何らかの事情により、後天性の障害を抱えてしまうケースがあります。

障害者手帳を保有する従業員は、法定雇用率へのカウントが可能なので企業は、適宜個人情報保護法等に留意し状況の確認を行うことも重要です。

会社から社員に対して障害の有無を把握・確認する際には、厚生労働省が公表している「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」に沿って対応することが重要です。

では、社員から直接障害者手帳を取得したと報告を受けた場合、企業はどのような対応が必要なのでしょうか。

まず、覚えておかなければいけないこととして、法定雇用率のカウントでは、障害者手帳を持っている人が対象となりますが、企業への障害者手帳の提出を強制することはできません。

障害者採用枠で採用している場合は、企業へ手帳を提出する前提での雇用なので提出してもらうことは当然ですが、後天性の障害の場合は従業員に任意で提出を依頼する形になります。

そもそもの障害者雇用制度について、手帳を取得した社員へ説明を行い、その制度への同意を得られたならば手帳の提出を依頼しましょう。

そして、障害者手帳提出を受けて初めて、雇用している障害者としてカウントすることができます。

また併せて注意が必要な点として、障害者雇用促進法では、障害者に対するで差別が禁止や合理的配慮も求められます。

これは障害者手帳の保有有無や会社への提出状況に関係なく、全ての障害のある方が対象となるので注意しましょう。

合理的配慮における注意点

先述の通り、障害者雇用促進法では、障害者に対する合理的配慮の義務について定めています。

そもそも合理的配慮とは何かというと、障害のある方から企業に対して対応を求める意思表示があり、企業側も負担が大きすぎない範囲内で対応に努めることです。

では、具体的にはどのような対応をとる必要があるのかを確認しましょう。

 合理的配慮の対応について

その人の障害の種類や特性、程度によってどのような場面で配慮が必要になるかは異なります。

まず何よりもまず、本人へのヒアリングを丁寧に行う必要があります。

働くうえで支障となっている事は何か、どのように困っているのか、どうすればそれを解消できそうなのか等、順を追って確認することが大切です。

そしてヒアリングした内容を基に、企業としてどこまで対応・配慮ができるかを検討する必要があります。

従業員の申し出に対して全てを受け入れることは難しいでしょうし、不適切な場合もあります。

可能な範囲内で、どのような対応をできるかを一度まとめてみましょう。

そして、その内容を再度申し出のあった障害のある従業員と共有し、相互納得の上で働ける環境を整えましょう。

また、定期的な労働環境の見直しを行うことで、障害のある方が働きやすい環境を実現できるよう組織つくりをしましょう。

まとめ

雇用する従業員が障害者手帳を新たに取得した場合の対応について解説しました。

後天性障害の場合にも法定雇用率へのカウントは可能ですが、あくまで従業員の理解を得て、協力してもらう形になります。

また併せて、差別排除や合理的配慮に関する対応を行う必要は出てきます。

従業員へのヒアリング等しっかりと行い、双方が納得のいく雇用環境を整えられるようにしましょう。

その際、適切な対応が分からない、困りごとがある等の場合には、ハローワークへ相談をしてみましょう。

また、弊社でも障害者雇用に関わるサービスを提供しております。

お気軽にお問い合わせください。

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