精神障害者を採用するにあたって、重要なポイントについて解説します。 | ESJコンサルティング

精神障害者を採用するにあたって、重要なポイントについて解説します。

  1. 目次
  2. 障害者雇用における精神障害者の現状
  3. なぜ精神障害者の雇用が難しいとされるのか
  4. 精神障害者採用のポイント
  5. 自身の障害理解と受容
  6. コミュニケーションスキル
  7. 相談先の有無
  8. まとめ
昨今企業が障害者雇用を進めるにあたり、重要な施策のひとつとして、精神障害者の採用を推進することがあげられます。 平成30年4月1日以降は、精神障害者も雇用義務の対象に加えられたこともあって、毎年精神障害者の雇用や採用は増加傾向にあります。 しかし、現実にはまだまだ多くの企業で精神障害者の雇用が進まない現状があります。 これは何がネックとなっているのでしょうか。 この記事では、障害者雇用において精神障害者を採用するにあたってのポイントをまとめました。 正しく特性について理解し、貴社にあった人材の獲得ができるよう、要点を確認していきましょう。

障害者雇用における精神障害者の現状

令和4年時点の民間企業に雇用されている障害者数は613,958人で、前年から16,172人増えて、全体で2.7%上昇しています。 うち、民間企業における精神障害者の雇用者数は、109,764.5人となっています。 精神障害者の雇用や採用が増えている一方で、定着率に課題があると言われております。 少し前のデータとなりますが平成30年での障害別平均勤続年数は以下の通りです。
身体障害者:10年2か月 知的障害者:7年5か月 精神障害者:3年2か月 発達障害者:3年4か月
このデータからもわかるように、精神障害者については近年雇用者数は増えている反面、勤続年数が短い傾向にあります。 また定着率についても、入社から一年で約半数が離職しているというデータが出ています。 実際に雇用した精神障害者の方との雇用トラブルが過去にあった等の理由で、精神障害者の採用が進まない企業は多くあります。 しかし一方で、精神障害者の方の離職率が高い理由は何なのか、雇用トラブルが発生してしまうのかを正しく理解できている企業は多くありません なぜ、精神障害者の雇用が難しいといわれているのかポイントを確認し、その理由を理解しましょう。

なぜ精神障害者の雇用が難しいとされるのか

障害者雇用を進める中で、障害特性について確認をする際どのように確認をしますか?身体障害をお持ちの方や知的障害をお持ちの方であれば、障害者手帳を確認すること」で、どういった特性をお持ちか確認することが出来るかと思います。 そして、特性に合わせた配慮や業務を割り振る事は難しくないかと思います。 一方、精神障害をお持ちの方の場合はいかがでしょうか。精神障害も同様に、障害者手帳を確認し、診断名を見て確認すれば分かる。」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。 しかし、精神障害は目に見えない障害といわれており、多くの特性があり、必要な配慮も一人ひとりで異なります。 その結果、障害者手帳を確認することや、診断名を見ることだけでは、どういった特性を持った方を理解する事は出来ないのです。 実際にそのことを知らない企業担当者の方は、多くいらっしゃいます。 結果、「精神障害に対する理解度が低いことや、一人ひとりの特性に対してどのような配慮をすれば良いか分からないという理由で、精神障害者の雇用が難しいと考えられています。 ただし、つまりは「正しく精神障害について理解し、一人ひとりの特性に向き合うことで、安定して雇用することも可能」です。 では、精神障害者の方を採用するにあたって、必要な知識や重要なポイントは何かを確認していきましょう。

精神障害者採用のポイント

先にもお伝えした通り、精神障害は多くの特性があり、必要な配慮も一人ひとりで異なります。 そのため、まずは障害者手帳やその診断名で判断することを止めましょう。 もちろん、同一の診断名の場合は似た特性を持った方は多くいらっしゃいますが、精神障害の場合は診断名を聞くことだけでその人の特性を理解することは不可能です。 企業の障害者雇用の担当者としては、そのことをまず理解していただけますと、障害者雇用の施策の幅が広がってくるかと思います。 続いて、選考時に確認すべきポイントは、以下のような点があげられます。

自身の障害理解と受容

精神障害のある方が安定して働くためには、自分の障害を理解し、受け入れていることが必要です。 自分の障害を理解できていることで、自分の異変や不調に気が付くことができ、周囲にも助けを求めることが出来ます。 それが出来ていない場合、メンタル面の不調が身体的な不調にもつながりやすく、体調が安定せず継続して就労する事が困難となります。 そのため、ご自身の障害理解ができているかどうか、面談時にしっかりと確認をすることが必要です。 ただし、精神障害は自分自身がその障害や程度を自覚しにくく、当然周囲の理解も不十分な場合も多く存在します。 企業側も本人と共に障害の理解を深める姿勢を持つ必要があるといえます。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、一般採用においても重要視されるポイントではありますが、精神障害をお持ちの方と面接を行う場合は一層注意して確認をしましょう。 先にもお伝えしたように、精神障害は目に見えない障害といわれています。 適宜周囲が配慮をする必要はもちろんありますが、毎度こちらから「体調はどうですか?」「困りごとはありませんか?」などと確認することは、現実的ではありません。 困っているときに自分からそれを発信することが出来るかどうか確認する事が、相互にとっていい結果へとつながります。

相談先の有無

本人が信頼しており、相談事ができる先を持てているかを確認しましょう。 主治医、支援者、家族友人など、常に相談をできる先を持てている場合、安定して就労することができる方が多いです。 また支援者がサポートをしている場合には、従業員とのコミュニケーションにおいて困りごとがある際に、企業が支援者へ相談をすることも出来ます。 第三者を交えてコミュニケーションが取れる場合は、より相互理解を深めることが出来る為、職場定着にもつながるケースが多いです。

まとめ

年々上昇する法定雇用率に対し、企業が障害者雇用を推進するためには、精神障害者の方の採用を進めることが重要です。 精神障害についての理解を持ち、重要なポイントを押さえて自社の障害者雇用施策に沿った人材の採用を進めましょう。 また、ESJコンサルティングでは企業の障がい者雇用に関わる全般サポートを行っております。 弊社サービスについても、是非一度お問い合わせください。