障害者雇用の対象となる障害種別や特性について解説します。 | ESJコンサルティング

障害者雇用の対象となる障害種別や特性について解説します。

  1. 目次
  2. 障害者雇用の対象となる障害種別について
  3. 1.身体障害について
  4. 2.知的障害について
  5. 3.精神障害について
  6. それぞれの障害特性について
  7. 1.身体障害の障害特性
  8. 2.知的障害の障害特性
  9. 3.精神障害の障害特性
  10. まとめ

障害者雇用促進法における障害者雇用では、企業に対し従業員が一定数以上の場合、障害者を決められた割合で雇い入れるよう法律で定められています。

この法律で定められた企業の従業員数における障害者の雇用割合のことを、「法定雇用率」といいます。

そして、ここで対象となる「障害者」とは、どのような障害が対象となるのかご存知でしょうか。

この記事では、障害者雇用の対象となる障害種別や特性について説明します。

障害者雇用の対象となる障害種別について

まず結論として、障害者雇用におけるカウント対象となる障害は、「身体障害」「知的障害」「精神障害」です。

これらの障害を持ち、障害者手帳を保有する方を雇用した場合、「障害者雇用」として雇用したこととなります。

そして、雇用義務対象の企業は、上記の障害を持つ従業員数を「法定雇用率」以上にする義務があります。

それぞれの障害について説明していきます。

1.身体障害について

対象となる身体障害は、身体障害者福祉法に基づき、都道府県、政令指定都市、中核市などが発行する身体障害者程度等級表の1級~6級の手帳を保有する方です。

主な身体障害は以下5つです。

①視覚障害

②聴覚又は平衡機能障害

③肢体不自由

④音声機能、言語機能、咀嚼機能障害

⑤内部障害

また内部障害では、以下7つの障害を内部障害として規定しています。

・心臓機能障害

・じん機能障害

・呼吸器機能障害

・ぼうこう又は直腸機能障害

・小腸機能障害

・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害

・肝機能障害

 

2.知的障害について

障害者雇用の対象となる知的障害者は、住んでいる自治体によって発行される療育手帳を保有している方です。

ただし、自治体によっては療育手帳ではなく「愛の手帳」「みどりの手帳」といった名称を使用する場合もあります。

また、療育手帳への記載方法についても自治体毎に異なり、A・B1・B2・B3とする場合や、1~4度といった数字で区分する自治体もあります。

そして知的障害者の方の中には、「職業重度判定」を受けている場合があります。

療育手帳に記載される判定が中度・軽度の場合であっても、就業にあたっては十分なサポートが必要な場合にはこの「職業重度判定」が認められます。

この場合、障害者雇用においては重度障害者として法定雇用率へカウントされることとなります。

 

3.精神障害について

障害者雇用の対象となる精神障害者は、精神障害者保健福祉手帳を保有している方です。

精神保健福祉法に基づき、社会生活・日常生活を送る際に制約がある人の支援や自立を目的とし交付されます。

また精神障害者保健福祉手帳は2年おきに更新する必要があるので、雇用した社員の方が精神障害者の方の場合は、必ず更新状況を確認しましょう。

主な精神障害は以下6つです。

①統合失調症

②うつ病などの気分障害

④自閉症スペクトラム障害(ASD:Autism Spectrum Disorder)

⑤注意欠陥多動性障害等(ADHD:Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)

⑥学習障害(LD:Learning Disability)

 

それぞれの障害特性について

1.身体障害の障害特性

身体障害は特徴としては、障害の状態の把握がしやすく会社側が必要な対応や配慮を取りやすい点があります。

一方ではその結果、就労にあたっての設備・ハード面の整備が必要となる場合も多く設備投資が必要なケースが多くあります。

ただし、身体障害をお持ちの方の雇用の為にオフィスのバリアフリー化やハード導入などの設備投資を行った場合に、活用できる助成金制度があります。

2.知的障害の障害特性

身体障害は特徴としては、言葉の発達が遅れて、うまくコミュニケーションが取れない方や複雑な物事や文章・会話などを理解できないことがあげられます。

ただし、適切なサポートや指導、環境の整備を行うことで、十分に能力を発揮して就労することができます。

一つの物事へ集中して取り組むことが得意な方が多く、単純作業や反復業務のような業務の場合安定して就労することを期待できます。

その一方で、臨機応変に対応を求められるような業務は苦手な方が多く、そのような業務の場合には大きく負担を感じて離職してしまう方も多いです。

3.精神障害の障害特性

精神障がいの特徴としては、目に見えない障害であることや一人一人の特性に違いがあり、一律の対応では対応しきれないことが多いです。

その結果、社員と会社間での意思疎通においてエラーが起こりやすく、就労において問題が発生することや、従業員本人の体調が悪化したりするケースがみられます。

また3つの障害種別の中で最も離職率が高いのが精神障害をお持ちの方なのですが、上記の理由が大きいかと考えられます。

 

まとめ

障害者雇用の対象となる障害種別や、それぞれの特性について説明させていただきました。

近年では、精神障害をお持ちの求職者の割合が他の障害よりも増えており、法定雇用率の上昇も加味すると精神障害者の採用に積極的に取り組む必要が出てきます。

ただ、やはり個々人の特性把握や対応の難しさもあり、採用は身体障害か知的障害に限って行うという企業もまだまだ多くあります。

障害種別で限定することなく、個々人の特性を最大限に活かして働ける採用活動や環境整備について検討を進めることを検討してはいかがでしょうか。

また、ESJコンサルティングでは企業の障がい者雇用に関わる全般サポートを行っております。

弊社サービスについても、是非一度お問い合わせください。