障害者雇用とは?障害者雇用に関わるメリット・デメリットについて解説します。 | ESJコンサルティング

障害者雇用とは?障害者雇用に関わるメリット・デメリットについて解説します。

  1. 目次
  2. 障害者雇用とは
  3. 障害者雇用促進法とは
  4. 雇用義務(法定雇用率)
  5. 障害者雇用納付金制度
  6. 行政指導・企業名公表
  7. 障害者雇用制度における障害者
  8. 障害者雇用を行うメリット
  9. 企業価値の創出につながる
  10. 助成金や調整金・報奨金を受けられる
  11. 業務の効率化につながる
  12. 障害者雇用を行わないデメリット
  13. 金銭的損失の発生
  14. ステークホルダーへの悪影響
  15. まとめ

障害者雇用は、多くの企業が求められる義務であり社会全体の課題とも言えます。

そして、実際に自社で障害者雇用に取り組むにあたっては、正しく障害者雇用制度を理解する必要があります。

この記事では、そもそも「障害者雇用とは何か」から、障害者雇用に関わるメリット・デメリットについて説明します。

障害者雇用とは

まず障害者雇用とは、ただ障害のある方を雇用することを指しているのではなく、障害者雇用促進法に基づく雇用を指します。

これは民間企業や、国・地方公共団体に対して定められており全従業員中の障害者雇用割合を法定雇用率以上にする義務が生じます。

一般的に、この義務を果たすための仕組み制度全般を通して「障害者雇用」とされます。

障害者雇用促進法とは

障害者雇用に大きく関わる法律が、障害者の雇用の促進等に関する法律です。

これを省略して、障害者雇用促進法と呼ばれています。

障害者雇用促進法は、「共生社会」の実現を理念として、障がいのある人が障がいのない人と同様に、その能力と適性にもとづいて職業に就き、自立した生活を送れるようにすることを目的としています。

そして、法定雇用率制度の重要なポイントとして、以下3つがあげられます。

  • ●雇用義務(法定雇用率)
  • ●障害者雇用納付金制度
  • ●行政指導、企業名公表

それぞれ確認をしていきましょう。

雇用義務(法定雇用率)

障害者雇用促進法では、企業や国・地方公共団体などに対して、一定の割合の障害者を雇用する義務を定めています。

そして、この雇用義務対象となるのは、従業員を43.5人以上雇用している企業です。

2023年現在の法定雇用率は以下の通りです。

民間企業:2.3%
国・地方公共団体:2.6%
都道府県等の教育委員会:2.5%

ただし障害者雇用促進法は5年に一度見直しが行われ、通常は法定雇用率の引き上げが行われます。

実際に、民間企業の法定雇用率は2023年は2.3%、2024年には2.5%、2026年では2.7%と段階的に引き上げが行われています。

障害者雇用納付金制度

続いては、障害者雇用納付金制度です。

法定雇用率を達成している企業には調整金・報奨金の支払いが、達成できていない企業に対しては、納付金の支払いが課せられます。

内訳としては、法定雇用率を超える障害者を雇用している事業主に対しては、超過1人あたり月額2万7,000円の調整金と、月額2万1,000円の報奨金が支払われます。

反対に、雇用義務を果たしていない企業は、不足1人あたり月額5万円の障害者雇用納付金を納めなければなりません

行政指導・企業名公表

毎年6月1日時点の雇用状況をハローワークに報告する「障害者雇用状況報告(ロクイチ報告)」により、障害者雇用の状況が悪い企業に対して「行政指導」が行われます。

この行政指導後も、雇用状況の改善が見られない企業については、著しく障害者雇用状況が悪い企業として「企業名の公表」を受けることとなります。

このような状況に陥らないためにも、企業は計画的に障害者採用を行っていくことが求められます。

障害者雇用制度における障害者

「障害者雇用」において、雇用対象は誰になるのでしょうか。

障害者雇用促進法における障害者とは、「身体障害」「知的障害」「精神障害」をお持ちの方で、原則障害者手帳を保有している方となります。

それぞれの特性などについては、以下の記事も併せてご確認ください。

障害者雇用を行うメリット

法定雇用義務を果たすことが目的に障害者雇用を進めては、企業にとっては負担が増す一方です。

しかし、目的をもって障害者雇用に取り組むことで得られるメリットがあります。

どのようなメリットを受けられるのか、それぞれ見ていきましょう。

企業価値の創出につながる

障害者雇用はダイバーシティ&インクルージョンやSDGsの取り組みへも大きく関わりがある分野であり、多様性のある組織づくりが可能です。

自社の障害者雇用の取り組みを打ち出すことで、企業イメージ・ブランドの向上を図ることができ、新たな企業価値の創出にもつながります。

助成金や調整金・報奨金を受けられる

障害者雇用に取り組むことで、行政などからの支援や助成金を受け取ることができます。

また、先に記載した通り雇用義務を達成すると調整金・報奨金を受け取ることができます。

業務の効率化につながる

障害者雇用を取り組むにあたって、自社内の業務業務全体の見直し等を行い、業務切り出しを行う必要がある会社も多いです。

しかし、それが業務フローの再設計等につながり、結果として企業全体の業務効率化に繋がる事が期待されます。

障害者雇用を行わないデメリット

金銭的損失の発生

先にお伝えした通り、法定雇用率に対して不足が発生している場合には、不足1人あたり月額5万円の納付金を支払う必要があります。

年間でみると、一人当たり60万円の納付金支払い義務が発生します。

※雇用納付金の徴収については、従業者数が100人以上の企業が対象となります。

ステークホルダーへの悪影響

法定雇用率を達成できていない場合、行政指導や社名公表リスクが存在します。

上場企業の場合には、株主から責任問題を追及されるケースもあります。

また行政指導により、結局障害者雇用に取り組まなければいけない上、担当する社員の業務工数が逼迫され、業務効率が低下することが考えられます。

まとめ

障害者雇用制度を正しく理解し、計画的に取り組むことで様々なメリットがあります。

「ただ法定雇用率達成の為」ではなく、企業成長の確かな一端として活用する方法を検討してはいかがでしょうか。

また、ESJコンサルティングでは企業の障がい者雇用に関わる全般サポートを行っております。

弊社サービスについても、是非一度お問い合わせください。