障がい者雇用についての職場理解を促進するためには | ESJコンサルティング

障がい者雇用についての職場理解を促進するためには

  1. 目次
  2. 障がい者雇用に関する職場理解の現状
  3. 個人での障がい理解促進の重要性とその方法
  4. 障がいの基礎知識
  5. コミュニケーション方法
  6. 企業全体での理解促進の重要性とその方法
  7. 1.障がい者雇用の趣旨を周知する
  8. 2.配慮事項の周知
  9. 3.窓口の周知
  10. まとめ

障がい者社員が職場に定着し、成果を出すには周囲の社員の理解や協力が不可欠です。

しかし、これまでに障がい者との関わりが少なかった方の場合は、障がいへの理解やコミュニケーション方法など不安を持たれることも少なくありません。

今回は、障がい者雇用を進める中で重要となる、職場理解について解説します。

 

障がい者雇用に関する職場理解の現状

貴社の場合、現時点で「障がい者雇用に関する職場理解向上に向けた取り組みをしている」と言えますでしょうか。

実際、これに自信をもって答えられる企業は多くないというのが実情です。

障がい者社員本人に向けてのサポートや研修というものは行っていても、職場全体に対する理解促進の取り組みまでできている企業は全体の半数にも及びません。

それに関連して、厚生労働省の調査によると、精神障害者の離職理由の第1位、身体障害者の離職理由の第2位が「職場の雰囲気・人間関係」という結果になっています。

これらを踏まえ、障がい者の定着や活躍のためには、職場理解の促進が重要となることがお判りいただけるかと思います。

ここからは、個人レベル、企業レベルでの職場理解促進の重要性とその方法について解説します。

 

個人での障がい理解促進の重要性とその方法

障がい者雇用に関わる理解促進で大事なことは、個々人の基本的な障がいに対する知識の取得と、コミュニケーション方法の理解があげられます。

それぞれについて、確認をしていきましょう。

障がいの基礎知識

多くの人は、基本として障がいとは「身体障がい」「精神障がい」「知的障がい」という大枠があることは知っているかと思います。

しかし、それぞれの障がいについての理解ができているかといえば、そうではない人が多いです。

その結果、「一応診断名は聞いたことがあるし、イメージではなんとなくわかる」という状態の一般社員と、障がい者社員が同じ環境で接することになります。

これでは、相互理解が難しいというのはご理解いただけるかと思います。

障がいは、同一の診断名であってもその程度や症状は人それぞれ異なります。

体調変化がしやすい方も多く、その要因は仕事に関わる事だけでなく、日常生活や天候、世の中の動向で影響を受ける方など、様々です。

また、障がいをお持ちの方は周囲へ助けを求めることが苦手な方が多くいらっしゃいます。

「助けを求めるために状況を整理したいが、それが出来ない」「迷惑をかけたくない」「誰が味方かわからない」など様々です。

このことを知るだけでも、周囲からサポートや声かけがしやすくなります。

コミュニケーション方法

コミュニケーションをとるにあたっては、基本的に障がい者だからといって、必要以上に考える必要はありません。

それぞれの障がい特性に配慮した接し方をとることが重要ですが、それは一般社員間のコミュニケーションであっても、それぞれに合わせたコミュニケーションをとっているかと思います。

同じように相手の立場にたち、思いやりをもって接することができれば問題ありません。

「障がい者だから、話しかけるにも特別配慮をしなくては・・・」と。必要以上に考えることは、障がい者の立場では「気を遣わせてしまっている。迷惑をかけてしまっている」と、とられることもあり、逆効果ともなります。

相手を尊重したコミュニケーションを行うことを心がければ、信頼関係は構築できます。

 

企業全体での理解促進の重要性とその方法

個々人での障がい理解や、コミュニケーションについては先に述べましたが、加えて職場全体での障がい者雇用に関わる理解促進を行う事も重要となります。

配属のあった部署やその周囲だけでなく、職場全体で障がい者雇用を理解し受け入れることで、障がい者が業務に打ち込むことができます。

重要なポイントを3点お伝えします。

1.障がい者雇用の趣旨を周知する

そもそも、なぜ自分の会社で障がい者雇用を行っているのかを正しく理解している社員は、担当部署等でない場合は多くありません。

また、実際に同部署で働いている社員で障がい者への理解がある場合でも、雇用目的については分かっていないということも普通です。

この状態では、雇用目的が分からないために、「どのように一緒に業務を進めればいいかが分からない」「サポートを適切に行えない」という状況が生まれます。

「なぜ障がい者雇用を行うのか」「どのような成果を求めるのか」など、組織としての目的を正しく周知することで、社内で同じ目的をもって障がい者雇用を進めることができます。

2.配慮事項の周知

先の個人理解でも解説した通り、障がい者一人ひとり障がい特性は異なり、必要な配慮は違います。

事前に出来ること出来ないことや、どういった配慮を取る事でお互い業務が進めやすくなるのか等を周知する事が重要です。

これは直接的に関わりのある社員だけでなく、部署内やその周囲に対しても配慮事項の周知を行う事は有効と考えられます。

ただ、実際に周知を行う際に何をどこまで公開すればいいのか分からないというケースがあります。

私たちは障がい診断名については、周知の必要はないと考えており、「本人の特性」「配慮が必要な事項」を伝えれば十分かと思います。

注意点としては、周知に当たっては事前に本人と公開する内容や範囲について確認を行い、本人が希望しない事項は決して周囲しないよう気を付けましょう。

3.窓口の周知

障がい者雇用に関わる相談窓口の設置と、その周知はとても重要です。

障がい者社員本人からだけでなく、周りの社員からの相談窓口を設置することで、相談対応や問題発生時の対応が行いやすくなります。

また、この窓口はひとつに統一することで情報の管理や管理工数を統一することができ、スムーズな対応を取ることが出来ます。

対応窓口を設置しその周知を確実に行うことで、それぞれの不安を軽減することができるため、もれなく実施することをお勧めします。

まとめ

障がい者雇用の職場理解促進の重要性とその方法について解説を行いました。

理解促進は一般社員、障がい者社員双方にとってメリットとなり、障がい者社員の職場定着にもつながる事がご理解いただけたかと思います。

内容自体は、決して難しいこと複雑なことではないので、簡単に効果をご実感いただけるかと思います。

また、弊社ESJコンサルティングでは企業の障がい者雇用に関わる全般サポートを行っております。

弊社サービスについても、是非一度お問い合わせください。